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最新刊のご紹介
謎の会社、世界を変える。
〜エニグモの挑戦
須田将啓・田中禎人(株式会社エニグモ共同最高経営責任者)(著)

判型:46判上製
定価:1,680円
頁数:248ページ
発刊:2008年3月14日
ISBN:978-4-903908-05-2
内容:
バイマ、プレスブログ、フィルモ・・・「世界初」のサービスを連発する最注目ベンチャー・エニグモ、ついに初の著書を刊行!
これからのITビジネスの行方までもが見えてくる、感動と興奮の起業物語。
推薦1
「ソニー、ホンダを超えてほしい」
――現代ビジネスは、20世紀とまったく違うロジックで動いている。
本書を読めば、それがよくわかる。
――出井伸之氏推薦
推薦2
BuyMaのようなサービスは、フラット化が作り出す新しい消費者像をシンボリックに体現している。
「人と人のつながり」を可視化し、商品の情報を的確に得られるようにしようというソーシャルメディアの典型的ケースであり、昨今のソーシャルメディアの隆盛を思えば、BuyMaというサービスを2005年2月という早い時期に投入した二人の慧眼には恐れ入るしかない。
その後の彼らの成長ぶりと、次々に投入されている斬新なサービスの数々については、今さら言うまでもない。
私はいまも折りに触れ二人と会い、彼らの新しいサービスの話を聞いているが、その話はいつも明晰なロジックにあふれ、そしてその人間的魅力は人を惹きつけて離さない。
彼らが今後も成長を続けていくことは間違いない。そして彼らのような経営者が主流になっていくそのときこそ、日本のインターネットの再びの夜明けになるであろうことを私は信じている。
−−佐々木俊尚氏(ジャーナリスト)
目次
第1章 起業前夜
第2章 エニグモ誕生!
第3章 世界初第一弾 バイマ、オープン
第4章 失意からの挑戦
第5章 世界初第二弾 プレスブログ
第6章 世界初第三弾 フィルモ
第7章 世界へ
読者の皆さん・書店員の方々の声
「ほんと〜〜に面白いです。わくわく感、ライブ感、焦り、不安、そして『世の中変えるぞ!』という強い意志。こういうものたちがものすごくリアルに伝わってきて胸を打ちます」(書店員)
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プロローグ

「世の中を変えるボタン」がある。
そのボタンを押すと、世の中に小さな変化が起こる。その変化は、最初はゆっくりと、そしてだんだんスピードを上げながら、じわじわと勝手に広がっていき、気がついたときには世の中の価値観をすっかり変えてしまっている。

これは僕らの起業の物語だ。
二00二年の冬に最初のサービスのアイディアを思いついてから、約一年後の二00四年二月に仲間たち四人と一緒に、エニグモという会社を作った。僕たちは、二00八年二月現在までに、バイマ、プレスブログ、フィルモ、ローミオ、シェアモという五つのサービスを世に送り出した。
いつも「新しいサービスを作る」という視点で考えてきたため、自然と五つとも「世界初」のサービスになった。最初のサービスであるバイマは現在、世界五四カ国に三0万人の会員を擁し、プレスブログはブログを使った新しい口コミ広告市場を生み出し、アメリカ、韓国にも波及した。
今までにない新しいサービスを立ち上げるということは、裏を返すと「成功する保証がない」ということでもある。
会社を作る前も、作ってからも、予想もできないことがいろいろ起きた。時には本気で腹を立てたし、とても悲しい思いをしたこともある。だが、エニグモを作らなければ、絶対に味わえなかっただろう感動や、人生を変えるような出会いを得ることができた。
たとえ最初はまわりが理解してくれなくても、自分たちの考えやビジョンを信じ続けて、やってみなければわからない、というスタンスでサービスを立ち上げてきた。 起業とはある意味「勝負に出る」ということだと思っている。
僕たちが勝負に出てエニグモを作ったように、エニグモという会社も常に「勝負に出る」会社であってほしいと考えている。
勝負に出ることは、もちろん楽しいことばかりではなく、辛いこともたくさんあるし、失敗するリスクもある。でも、せっかくの人生、勝負を避けて後悔だけはしたくないと思っている。
始まったばかりの会社で、あまり参考にならないかもしれないが、この本を通して、誰かの起業のきっかけや刺激になれば嬉しく思う。
そして、一人でも多くの人が、「世の中を変えるボタン」を押してくれれば、何よりだ。

第一章 起業前夜
二00二年のクリスマスの夜(須田)


「あっ」

斜め後ろの席で、短い声があがった。
振り返って同僚の田中禎人を見た。
田中は腕組みをして虚空をにらみ、何か考えている様子だ。
二00二年も残りわずかとなった十二月二五日、クリスマスの夜。
夜の十時を過ぎたオフィスは人影もまばらで、僕は終わりの見えない企画書作りに取り組んでいた。
いつもはそれくらいの時間でも、フロアは人で賑わっているのだが、その日はさすがにクリスマス。ほとんどの社員は早めに帰社している。
僕と田中は、博報堂という会社に勤務していた。国内では第二位の規模を誇る、大手の広告代理店だ。
僕は入社して三年目。自動車や食料品メーカー、通信会社などのマーケティングを担当していた。田中とは七、八人がメンバーの同じチームに所属していた。
視線をパソコンの画面に戻し、書きかけの企画書の文字を埋める作業に再び取り掛かる。
五分ほど過ぎたとき、ぽん、と肩を叩かれた。
田中が後ろに立っている。
「どうした?」
「すごいことを、思いついた」
すべては、その瞬間から始まった。

二人だけのアイディア会議(須田)

「すごい面白いアイデアを思いついた」
そう言う田中の顔が、いつもとちょっと違う。
何かあるな、と感じた。
思わず、
「いやいや、俺のアイデアの方がすごいよ」と僕も言った。負けず嫌いなのだ。
田中はにやっと笑った。
「じゃあちょっと出し合おうか」
二人でマーケティング局のフロアを出て、会議室に入る。
田中は椅子に座ると、自動販売機で買ったコーヒーを一口啜ってから、口を開いた。
「アメリカで暮らしていたときに普段使っていた日用品を、日本で買おうとしても、なかなか手に入らないことが多いんだ。確かに海外の商品がたくさん輸入されて日本でも買える時代になったけどそれでもまだまだ買えないものの方が圧倒的に多い。
自分のMBA時代の同級生で、わざわざ向こうにいる友人に頼んでまで洋服とかを個人で輸入している人もいる。きっと他にもそういう人が、沢山いると思うんだよね。俺がアメリカにいたときも、『これ、日本で発売したら売れそうだな』と思うことも多かったし、自分のまわりに魅力的な商品がたくさんあるのにその状態を価値化できていないことが勿体ないと思ってたんだよ。
それで、ひらめいたんだが、インターネットを使って、海外にいる人を通じて個人輸入を気軽に頼める仕組みが作れれば、すごい潜在ニーズがあるに違いないと思うんだ。
海外にいる在留邦人のネットワークを構築して、世界中からありとあらゆるものを『お取り寄せ』ができるようなサイトがあったら、使ってみたいと思わないか?」

田中のアイデアを聞いた瞬間に、ぴんとくるものがあった。
前々から漠然と、インターネットという世の中に登場して間もないインフラをもっとうまく活用できる方法があるんじゃないか、と感じていたからだ。

九五年頃、まだ学生だったときにインターネットが登場した。それを見て「これで世の中は変わる」と思った。
だが、現実には、なかなか世の中は変わらなかった。
二00二年末の当時、日本でもブロードバンドが普及しつつあり、ネットの利用者は右肩上がりで増えていた。しかし、その直前、一気に盛り上がった「ネットバブル」 が崩壊したこともあって、「インターネットは張子の虎」という見方が強まっていた時期だった。
いくつかのネットベンチャーが新興市場に上場して話題を呼んだが、結局リアルのビジネスにおいては、ヤフーや楽天、アマゾンなどの資本を潤沢に持つ大手企業が、市場の寡占を始めていた。
その構造は、これまでのマスメディアやマス流通のあり方と、まったく変わらないように思えた。
本当のインターネットのすごさは、知らない世界や知らない個人同士が一気にネットワークされることで、今までとまったく違う世界観や新しい価値が生み出されることにあるに違いないと思っていた。
田中のアイデアは僕が想像していたインターネットの方向性に非常に近かった。

「一年後、やばいよね」(田中)

その頃の気持ちとしては、
「とにかくこのサービスを実現したい」という気持ちが非常に強かった。バイマのビジネスモデルに二人で惚れ込んでいたので、「それがどんな形であってもいいから、世の中に出したい」という気持ちだけだった。
誰かに作ってもらってもいいし、我々だけのものでなくてもいい。
とにかく世の中に問いたかった。
そこで須田と二人で事業計画書を作りこみ、協力してくれそうな会社を探しては、企画書を持ってプレゼンをして回ることにした。

プレゼン相手のビルに着くと、会社に入る前に必ずある「儀式」をした。
二人で毎回、
「世の中変えるぜ!」
「おう!」
と気合を高めたのだ。
その頃、僕も須田も、常に「これで俺たちは世の中を変えるんだ」という強い意識とモチベーションを抱いていた。
いまでも時折、二人で掛け声を出し合った場面を思い出す。起業して以来、辛いことやがっかりしたこともいっぱいあるけれど、「世の中変えるぜ!」と二人で言っていたことを思い出すと、絶対に乗り切れる気がする。

堀江貴文氏へのプレゼン(須田)

木枯らしが吹く季節になり、取引先の社長から、「堀江さんにアポイントを取った」と連絡が入った。
堀江さんとは、当時はまだエッジという名前だったが、あのライブドアの堀江貴文氏のことである。六本木ヒルズに入る前のエッジに電話したところ、うまくいって堀江さんにプレゼンする機会をもらえたという。
堀江さんは当時、若くして成功したITベンチャーの経営者としてメディアにも数多く取り上げられていた。ライブドアがまさに飛ぶ鳥を落とす勢いになる、直前の頃である。
僕と田中も「やった!」「チャンスだ!」と盛り上がった。

プレゼンする相手はエグゼクティブである。
時間もあまりないにちがいない。
そこで、その頃には八0ページ以上に膨らんでいた計画書をそぎ落として、珠玉の一0枚を作った。
我々はそれを「プラチナ・テン」と呼んだ。
「これを一0分でプレゼンするぞ」という意気込みで、リハーサルを繰り返した。
「最初の五ページは俺がしゃべるから、後半の五ページは田中ね」と何度も練習した。
いよいよプレゼンの日を迎えた。
練習の結果、一0分で完璧なプレゼンができるように仕上げて、社長と三人でエッジに乗り込んでいった。
社長室に通され、堀江さんに「はじめまして」と挨拶する。
自己紹介もそこそこに、プレゼンを始めた。
僕が最初の一枚の説明を始めたところ、堀江さんは、企画書をバラバラとめくりだした。こちらとしては、「えっ、順番があるんだから」という気持ちだった。
「このリクエスト機能が……」と僕は説明を続けた。堀江さんは、ある一枚に目をとめて、十五秒ほど考えこむと「ぱたっ」と企画書を閉じた。そして、
「これ、面白いですよ。やりましょう。で、どうやりましょう?」と言った。
プレゼンが始まって、わずか三十秒程だった。
その想像力と決断力とスピード感は、圧巻だった。
プラチナ・テンを作ったけれど、作る必要がなかった。
一枚でもよかったくらいの感じだった。
すごく盛り上がって、その日の堀江さんのブログにも「ある社長が来て、プレゼンしてもらった。アイデアはいい。でも実現できるかな」みたいなことが書いてあった。
それを見て、また田中と喜び合った。
いよいよバイマが実現する道が、見えてきた。

だが、そこから事態は風雲急を告げる。

(つづきは本書で)

第2章 エニグモ誕生!
第3章 世界初第一弾 バイマ、オープン
第4章 失意からの挑戦
第5章 世界初第二弾 プレスブログ
第6章 世界初第三弾 フィルモ
第7章 世界へ
既刊本のご紹介
ナンバ式!元気生活――疲れをしらない生活術
矢野龍彦・長谷川智(著)
挨拶の基本は、「お元気ですか?」。そして、生活の基本は、「元気が一番!」。

「健康」よりも、「元気」であることを目指しませんか?

――日本の伝統文化の一つである「ナンバ」の知恵をもとに、「心と身体が元気になる方法」を提案する。「惚れる」「故郷に帰る」「嫌いな人に近寄らない」「しゃあないと、まずは受け入れる」……読むと不思議にも元気が出てくる、納得の箴言が満載。ナンバ研究の第一人者が、現代人が忘れがちな、無理なく毎日続けられる生活術をユーモアたっぷりに伝える一冊。「お元気体操」も効果的!
12歳からのインターネット ウェブとのつきあい方を学ぶ36の質問
荻上チキ(著)
大人でも、学校の先生に訊いても、インターネットはわからない……。
子どもが起こすインターネットの"事故"を防ぐために、気鋭の評論家、1981年生まれの荻上チキが立ち上がりました。
いま問題になっているネットいじめや、学校裏サイトなど、ネットに潜む問題はこの本で解決! 家族で読んで考えよう!
謎の会社、世界を変える。〜エニグモの挑戦
須田将啓・田中禎人(エニグモ共同代表経営責任者)(著)
バイマ、プレスブログ、フィルモ・・・「世界初」のサービスを連発する最注目ベンチャー・エニグモ、ついに初の著書を刊行!
これからのITビジネスの行方までもが見えてくる、感動と興奮の起業物語。
やる気!攻略本
金井壽宏(著)
モチベーションという「最難関」も、らくらくクリア!
「働く意欲」をいつでも自力でコントロール。そんな夢のような「力」を手にしよう。
モチベーション研究の第一人者が「働くすべての人」に贈る、愛と元気が詰まった実践書。
病気にならないための時間医学〜<生体時計の神秘>を科学する〜
大塚邦明 (著)
すべての生物には時計がある――。ヒトの体内時計は二五時間――。生活習慣病や癌、骨粗しょう症などの発症を予知し予防しているのも、「生体時計」――。
「時間医学」(「時間の流れを考慮した医学」)の第一人者が、「時間とからだ」の関係、生命の神秘について、医者としての使命感と三〇年以上にわたる研究の情熱・感動をこめて書き綴る。病気にならないための智恵がつまった、目からウロコの医学読み物。
アマチュア論
勢古浩爾 (著)
現代の日本人に必要なのは、「武士道」でもない、「プロ意識」でもない、「アマチュア精神」ではないのか。企業の倫理も個人の良心ももはや壊滅的に思えてしまう昨今、こんな時代だからこそ、あえて訴えたい。「まともに生きよ」と。「ふつうの人」の生き方を問い続けてきた著者が、全身全霊を傾けて書き下ろした一冊。
街場の中国論
内田 樹 (著)
街場のふつうの人だったら、知っていそうなこと」に基づいて、そこから「中国はどうしてこんなふうになったのか?中国では今、何が起こっているのか?中国はこれからどうなるのか?」を推論した一冊。「予備知識なしで読み始められ」かつ「日中関係の見方がまるで変わる」、なるほど!の10講義。
仕事で遊ぶナンバ術―疲れをしらない働き方
矢野 龍彦・長谷川 智 (著)
ナンバ歩き、ナンバ走り、ナンバ式骨体操……「ねじらない」「うねらない」「踏ん張らない」、こうした身体に負担を与えない古武術の身体技法こそ、日本人の感覚にあった「ナンバ」である。本書では、「ナンバ式」の第一人者である矢野・長谷川両氏が、「ナンバ的発想」を仕事に生かす術を伝授。ナンバを「難場」ととらえ、現代のストレス社会を楽しく生きる方法を「ナンバ術」に見出していく。「仕事で遊ぶ!」「本当にできる人はがんばらない」「数字に縛られない」「マニュアルに頼らない」……現代のビジネスシーンでは注目されることの少ない、こうした考え方こそが、「本当にできる技」であり、日本人に一番あった「働き方」なのだ。逆転の発想で、働く人たちを幸せに導く、異色のビジネス書!
頭がよくなる立体思考法―RIFの法則
香山リカ(著)
R(現実)、I(知識、情報)、F(夢、希望) ……この3つの軸を意識するだけで、頭のモヤモヤがクリアになり、頭がよくなる!著者が独自に生み出した「RIF立体思考法」は、誰でも簡単に身につけられるテクニック。平面思考をあらため、立体思考を身につけよう!ビジネス、恋愛、老後、子育て...日常生活のすべてに役立つ、ありがたい思考法が誕生!なぜあの人は「いつもさえている」のか? R、I、F−−3つの軸を意識するだけで、「なんでもうまくいく人」に! 著者が生み出した、魔法の思考テクニック。
本当は知らなかった日本のこと
鳥越俊太郎・しりあがり寿 (著)
たとえば、「2007年問題と安保?」「ロハスと田中角栄?」「治安悪化とプラザ合意?」「少子高齢社会と大阪万博?」…みんな、つながっている!1940年生まれの鳥越氏が語り、1958年生まれのしりあがり氏が描く、「これまでの日本」と「これからの日本」。高校での履修不足問題が判明するなど、「戦後」は現代人の必須課題。素朴な語り口と傑作漫画で贈る、必読の教科書。